motimotimnko’s diary

日々の雑談

7人の病室

ホスピス

そこは余命宣告がされた者が

最後の時を刻む場所

5人の病人がそこにはいて

窓がある部屋は一つしかなかった

窓がある部屋にいるジョン・キーツ

毎日窓から見える風景を

他の4人に伝えていたのだ

「今日はいい天気で休日だからこんな時間から子どもが沢山遊んでいる」

「昨日遊んでいた子供達だきっと土日とも暇で遊びに来たんだろう明日はきっと来ないかも知れない学校があるからねそんな事も考えずとても楽しそうだ」

そんな話ばかり食堂でしてくれた

3人は心良くそれを受け入れ

楽しみにジョンの話を待っていた

一人が病代が変わりあの世へ飛び立った

その時に言った言葉は

「ありがとう」だった

 

心良く思ってない人が一人だけいた

それは運動選手だったホメロスだった

彼は外への憧れが人一倍強かった

窓際の部屋へ行きたくて仕方がなかったのだ

 

ある日ジョンは死んだ

 

そこでホメロスは医者に頼んだ

窓際の病室に入れてくれ

 

そしてホメロスは大きな涙をこぼした

「俺がバカだったんだ」

窓から見える物は隣の病棟の壁だけで

何も見えなかった

そうして刹那浮かんだ

「俺がジョンにしてもらったことを残った皆んなにもしてあげるんだ」

外の世界を諦めきれなかったホメロスだから

思い描く最高の瞬間を毎日語った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せとはその人の中で確かめようが無ければ

例え嘘であっても本当になる

故に真実しか口にしてはいけない

その人の中での真実しかね

おせっかいなタクシー運転手

「ちょっと海まで」

真夜中のタクシーはこの世を走る

最速の乗り物だ

「ラジオか曲流してくださいよ」

「良いですよ」

そういうと音楽が流れた

ヴィジュアル系だった

「おじさんもそういうの聞くんだ」

「娘が好きでね」

「仲が良いんですね」

「部屋から爆音で流れてくるから歌詞を調べただけですよ娘とはもう何年も話してない」

「そのバンドの名前知りたいですか?」

「なんて言うんですか?」

「じゃあ運賃オマケしてくださいよ」

「タダでも良いですよ」

「本当に好きなんですね」

「まあ」

ガゼット

「ライブとかやってるのかな?」

「もうファイナルライブも終わってますよ」

「爆音でライブ会場で聴きたかったなぁ」

「なんでその曲なんですか」

「女の香りと死人の顔をしてたから」

「死にませんよ」

「嘘でしょ」

「嘘ですね」

「嘘が下手だ君は」

「運転手さんもね」

「なんでそう思う?」

「娘さん死んでるでしょ」

「なんでそう思う?」

「隣にいるから」

「見えるんだ君にも」

「見えますよ」

「この子と海で遊んであげてくれませんか」

「良いですよ」

「触ったりしないでくださいね」

「触れませんよ死んでるんですから」

「貴方が死んだ後ですよ」

「今日は死にませんよ」

「嘘だ」

「これは本当」

「へえ?なんで」

「約束してるんです」

「どんな?」

「私は好きな人に殺される」

ヴィジュアル系本当好きなんですね」

「その曲なんていうか知ってますか?」

「知ってますよ」

「そういう事です」

「海、つきましたよ」

「ありがとうね」

「タダでいいですよ」

「ありがとう」

「始発5時からですよここは」

「何度も来てるんですね」

「夜中に一人で海なんてね」

「なるほどね」

 

 

その日流れた曲は

東京心中

未来人2110

インターネットで知り合った

2110という少女がいた

彼女はインターネットにしか

友達がいなかった

どんな投稿をしても彼女を見ていたのは

私だけだった

彼女の書く妄想が好きだったんだ

自分が未来人だという妄想だった

 

よく二人で話していて

家が近い事を知り

私達はすぐに仲良くなった

そうして私は一つの秘密を漏らした

それは未来視ができる事

できると言っても見たい未来を

見れる訳じゃないんだ

時折インスピレーションが視えてそれは

必ず現実になっていた

私が未来視した事をメモに渡して

2110に学校で読むよう伝えた

いつも私はそれに時刻を書いていた

2110は毎回それに驚いていた

「どうして開く時間が分かるの?」

私の見た未来がいつもそのシーンだったから

なんていうのはつまらないので

「好奇心が我慢できる時間って人は決められているんだよ」

などというインチキを話した

2110は少し悔しそうな顔をした

「次はお前の予言外れるから!」

「どうして?」

「絶対に驚かない方法を思いついた」

私はこの時少し人の気持ちを透視する能力を

開花する事ができた

2110は紙を開かないつもりだったんだ

だから紙に大きくこう書いた

 

「君の負け、ジュース買っといてね」

 

私は約束を破ってワザと遅刻した

2110はジュースを持っていた

「ほらよ」

「なにこれ?」

「しらばっくれるな」

「分かんないよ言って?」

「負けたんだよ」

「負けたって?」

「見たんだよ」

「お化けでも見たの?」

「紙開いた」

「へえ、なんて書いてあった?」

「君の負けジュース買っといてね」

「うんうん!」

「この勝負に負けたら君は死ぬ」

「え?そんな事書いてないよ私」

「書いてあんだよほら」

たしかに紙には書いてあった

その頃の私は文字の癖が強すぎて

だから自分の文字だとすぐに分かった

未来視を使った

何も視えなかった

 

 

 

2110の家はとても大きくて

そうして家族の束縛が激しかった

学校ですら友達を作る事を

許されていなかったらしい

インターネットにハマって

不登校に彼女はなった

それから友達を作る事を許したが

既に学校ではコミュニティが確立され

彼女の入る隙間などなかった

私しか友達ができなかったのだ

だから2110の両親は

私をとても大切にしてくれた

娘の唯一の友達として

 

 

2110から連絡が来なくなった

心配になった私は未来視をした

何も視えなかった

家に押しかける事にした

2110は自殺で死んでいた

私のこの能力が不完全かつ

無意味な物だと思った

なんで分からないんだろうって

泣きたくなった

そんな思考を許さないような

2110の母から向けられる言葉

「あの子の遺書に貴方は未来が見えると書いてあったわ沢山の時刻が書かれただけの紙とそれを見た時の心境それから死の予言も」

「あれは私が書いたんじゃなくて」

「書いてたじゃない!時刻!」

「なんで怒ってるんですか?」

「あの子が死ぬ事を分かっていながら仲良くしていながらなぜ止めなかったの!?」

「ですから私は」

「言い訳なんて聞きたくない!二度と顔を見せないで!」

 

私は2110の紙に一言付け足した人物を知りたい

彼女が未来人であるという妄想は

家族にもよくしていた

だから余計にかな

私を恨みたくなったのは

家族との会話漫談編

おじいちゃんと話した時の会話を

文字に書き出しながら

書こうと思います

狂気と狂気の合わさる時間を

お楽しみにください

 

 

犬って知ってますか?
可愛がるモンやろ?
犬って韓国で食べられるらしいんですよね
なんかおいしそうだな
犬は可愛がるモンやろお前食べたら可哀想やん
犬って調理したらどうなるん?
泡吹き出すんだよ不思議だけど
なんか可愛いじゃん
そこで可愛さ見出さなくて良いんだよ犬は泡が出る肉?夢可愛いワンちゃん〜!じゃないんだよ
でも可愛いっしょ?
確かにね?
やっぱ可愛かったら食べたいっしょ
女みたいにいうなよ
旨い肉は食いたい
上手い女は食いたいみたいにいうなよ
食われたいわ
犬に噛まれるのは楽しいな
犬ってどこで食えるか知ってる?
昔よお横浜に犬がたくさんいた時があってよぉ
うん可愛いじゃん
それでよぉ肉屋始めたんだよ韓国街で
犬しか想像できない肉屋って聞いたのに豚とか牛じゃなくて肉ときいて犬しか思い浮かばない
そりゃそうだよお前犬の肉屋だもの
それは食べれるのかい?
もう全部潰れちまったよ
そうかいそりゃ失礼した

 

おじいちゃんがトイレに行ったので

話は終わった

 

ある秋の事

私には好きな人がいた

青春の全てをその人に捧げていた

その人以外の恋愛は全てお遊びだったのかも

知れませんし私は遊ばれていたのだった

 

別れたり付き合ったりを繰り返し

連絡も取らなくなって半年後

なんやかんや好きでいながらも

どうする事もできず

適当な人と付き合ってぼんやりと

生きていたり別れて喪失感で

ハッキリと今を感じているような

クズ人間だった

そんな私に1通の連絡が来る

好きな人だった

来るはずのない連絡が私に来て

とても嬉しかった

まだ好きだった

話が盛り上がって

通話でもしようかとなり

なぜか高まった二人は

会う事になったのだ

 

通話の最後もういくね?というと

彼女はすぐに通話を切る

だから僕は

「もういくね?」

という君に

「ねえ好きだよ」

そう速く言い残して通話を切った

帰ってきたLINEは

必ず来てねだった

 

もちろん僕は行った

好きな人も来た

なんとなく街をぶらついて

他愛ない会話を交わし

ぎこちない手と手が触れ合いながらも

離れて行ったりする姿が

自分達のもどかしさを

表しているようだった

 

「ねえ今でも好きなの?」

そんな事を急に聞かれたが

冷静を装い私は話を逸らす

「いつもどおり主語が抜けてるよ」

すこし不機嫌そうに返す

「私の事今でも好き?」

物凄く可愛子ぶって言ってくる

少しムシャクシャした

気持ちが伝わるならそれでいいかと思った

そんな事を態々聞いてくる

元カノなんて脈しかないだろという

思考を巡らせたのはほんの一瞬

僕は言葉じゃなくて

キスをして彼女の気持ちに答えた

「嬉しいよ」

そう言って泣いていた

僕らの恋愛に涙は付き物だった

別れ際、すぐ会えるのに

辛すぎてよく泣いていた

メンヘラか?

 

「ねえ帰るの?」

私は不意にそんな事を口にした

してしまったが正しかったか?

「そんな寂しい事言わないでよ」

本気で泣き出しそうな君

「どっか泊まってく?」

「いいとこあるよ!」

そう言って連れられたホテルは

予約済みで最初からこのつもりかよと

計算され尽くした行動に

まんまと乗せられた感じがして

悔しさしかなかったが

嬉しそうに笑うから

僕は、僕はそれでいいやと思った

 

2晩泊まった

ずっと抱き合っていた

アホになっていた

しかし惹かれ合う二人が

久しぶりに会ったらこうなるのは

自然の摂理かもしれませんね

 

そして帰り際の君は

僕の予想を裏切る話を振る

「実はさ、彼氏いるんだよね」

「そっかそれで?」

「定期的にこういうことする…とかどう?」

「愛人かて」

「まあね」そう言って君は照れ臭そうに笑う

 

私は別に断る理由もないし

承諾したが彼女が来ることはなかった

 

突然の知らせだけが届いた

「妊娠した」

「へえ彼氏の子?」

「違うと思う」

「え、私の?」

「そうだと思う」

「なんで?」時期的にはおかしくなかった

「今の彼氏顔がブスなんだよねだから顔が良いアンタの子が欲しかったんだよ」

???????????

何も理解できなかった

「結婚すんの?」

「彼氏とね」

なにも理解したくなかった

「彼氏と結婚する為の子供をそんな理由で私に作らせたのか?」

「うるさいな」

うるさいのはお前だと思った

もうなにも言いたくなかった

なにも聞きたくなかった

お互いそうなんだと思った

私は彼女の前から

姿を消した

万華鏡とオルゴール

クリスマスや誕生日に

貰うものはなんでしたか?

ゲーム機でしたか?

あるいは流行りのオモチャでしたか?

私は万華鏡とオルゴールでした

友達が私にはいませんでした

転向を繰り返し

いつでも浮いていた私は

どこか浮世離れしていて

一人で話していたし

一人で笑っていた

それを嘘だと笑うクラスメイトと

信じてはくれないけれど

聞いてくれる変わり者が好きなだけの

つまらなくくだらない交友関係のみで

そんな人間達よりも

母がくれた万華鏡の不思議な世界や

オルゴールの奏でる美しい音色が

私にとっては大切なものであり時間でした

 

今日も私は万華鏡を覗く

お薬

処方薬を飲み忘れたんです

そこから地獄は始まりました

1日目は気怠さ

2日目はそれに加えて幻覚幻聴

3日目からは模様という模様が

蠢いていて虫に見えたり

万華鏡のように揺らめいていた

 

4日目は友達のハイプロンと

マイスリーを飲み楽しくなり

気分ルンルンでボダっていた

その合間は幻覚などなく

平穏だった