7人の病室
そこは余命宣告がされた者が
最後の時を刻む場所
5人の病人がそこにはいて
窓がある部屋は一つしかなかった
窓がある部屋にいるジョン・キーツは
毎日窓から見える風景を
他の4人に伝えていたのだ
「今日はいい天気で休日だからこんな時間から子どもが沢山遊んでいる」
「昨日遊んでいた子供達だきっと土日とも暇で遊びに来たんだろう明日はきっと来ないかも知れない学校があるからねそんな事も考えずとても楽しそうだ」
そんな話ばかり食堂でしてくれた
3人は心良くそれを受け入れ
楽しみにジョンの話を待っていた
一人が病代が変わりあの世へ飛び立った
その時に言った言葉は
「ありがとう」だった
心良く思ってない人が一人だけいた
それは運動選手だったホメロスだった
彼は外への憧れが人一倍強かった
窓際の部屋へ行きたくて仕方がなかったのだ
ある日ジョンは死んだ
そこでホメロスは医者に頼んだ
窓際の病室に入れてくれ
そしてホメロスは大きな涙をこぼした
「俺がバカだったんだ」
窓から見える物は隣の病棟の壁だけで
何も見えなかった
そうして刹那浮かんだ
「俺がジョンにしてもらったことを残った皆んなにもしてあげるんだ」
外の世界を諦めきれなかったホメロスだから
思い描く最高の瞬間を毎日語った
幸せとはその人の中で確かめようが無ければ
例え嘘であっても本当になる
故に真実しか口にしてはいけない
その人の中での真実しかね